聖・赤石縦走

年月2021年8月
期間二泊三日
登った山白蓬ノ頭(2,632m)奥聖岳 (2,982m)
前聖岳 (3,013m)兎岳  (2,818m)
中盛丸山(2,807m)大沢岳 (2,819m)
赤石岳 (3,120m)
行程行き新横浜(新幹線)静岡<泊>(車)沼平
登山・沼平(3:00)聖岳東尾根取付(4:40)白蓬ノ頭(1:00)東聖岳<泊>
・東聖岳(0:50)奥聖岳(0:15)前聖岳(1:30)兎岳(1:25)中盛丸山(0:40)大沢岳(1:00)百間洞山の家(1:10)百間平(2:30)赤石岳避難小屋<泊>
・赤石岳避難小屋(0:05)赤石岳(1:15)富士見平(0:20)赤石小屋(2:00)椹島(3:30)沼平
帰り沼平(車)静岡(新幹線)新横浜
タイム25時間10分(コースタイム不明)
同行者なし
宿泊 テント泊/赤石岳避難小屋
天候
温泉 接阻峡温泉森林露天風呂
コメント 南アルプスの聖岳〜赤石岳間は、百名山をベースに登山しているとどうしても残ってしまいがちな区間です。ここを埋めるために当初は8月上旬に知り合いと赤石岳〜聖岳〜茶臼岳のルートで登る予定だったのですが、天候が悪くリスケになった結果、ソロで行くことになったので、もともと懸案だった聖岳東尾根と組み合わせることにしました。昨年同様今年も南アルプス南部は山小屋の運営はなく、椹島までの送迎バスもないため、沼平からは片道3時間以上の林道歩きがプラスされます。自転車を持ち込める人は自転車を使っていましたが、それは望むべくもないので、往復歩きました。

 沼平の駐車スペースは金曜日の朝でも8割方埋まっておりました。沼平のゲートでは検温と連絡先記入があり、ここからテン泊装備を背負っての林道歩き3時間。天気がいいせいもあってなかなかつらいです。金曜日ということもあって奥で行われているリニアの工事車両なども何台か通過していきます。聖岳東尾根の取りつきについたのは3時間後で、225番電柱と28番の黄色標識が目印になっており、左上の方に踏み跡が伸びています。ここで昼食を摂ってから取りつきました。
 聖岳東尾根は直近の記録などを見ると、目印も多く、上の方のハイマツも刈られてかなり歩きやすくなっているとのことでしたが、実際そんな感じで若干拍子抜けした部分はありました。しかし、尾根に乗るまではひたすらジグザグの登りが続き、尾根に乗ってからも白蓬ノ頭までが相当長いので、ある程度覚悟は必要だと思います。白蓬ノ頭に到着したのは17時前で当初イメージしていた兎岳避難小屋まではたどりつけそうになく、それならば無理せず奥聖岳の手前でビバークして翌朝山頂を踏んだ方がいいなと考えて、ビバーク地点を探しながら歩くことに。幸い東聖岳のすぐ手前にシェルターが張れそうなスペースがあったのでここで一泊。翌朝の風が強くてやや揺れたものの、比較的よく眠れました。翌朝は東聖岳から奥聖岳へと進み、南側のガレ場をトラバースして山頂へ。午前6時の奥聖には誰もいるまいと思っていましたが、1人聖平小屋からの先客がいて驚きました。少し会話しましたが、金曜夜で聖平小屋は25名くらいいたそう。奥聖岳も前聖岳も赤石岳をバックに素晴らしい状態で山頂を踏めた感じです。

 二日目はそのまま赤石小屋まで行くつもりで兎岳方面への縦走路をたどりました。登り返しはなかなかきついですが、兎岳・小兎岳・中盛丸山と進みます。大沢岳は空身で往復した方がよさそうだと思い、百間洞分岐にザックをデポして出発。途中にしらびそ平への分岐を見ながらさらに進みます。山頂手前200mと山頂直前の2回のタイミングでクマがこちらに気づいて慌てて西の岩場を駆け下り、ハイマツに飛び込んでいくのが見えました。山頂付近で2頭も見るとは思いませんでしたね。大沢岳からの眺望はなかなか素晴らしかったですし、これで懸案だった2座(兎岳・大沢岳)はこなしたことになります。百間洞への道をたどっていると、小屋はかなり手前から見えるんですが、距離はなかなかあります。小屋の手前で水がじゃんじゃん流れている沢を通過したので、小屋の前の川よりもいいかなと思ってここで水をフル補充しました。百間洞では逆ルートを歩いてきた静岡の方を話しながら昼食。結構な経験者で、私の話を聞いて聖岳東尾根を行くと言っていましたが、無事に下りれたでしょうか。
 ここから赤石岳までは延々と登りが続くので、やはり相当につらく、百間平を通過したころには「水も補充したし、避難小屋泊で明朝ご来光を見て下山でいいよね」と赤石小屋まで下る気は完全になくなっていました。夕方にはなんとか避難小屋に到着したので、小屋で一泊。先客は1名で自転車利用の荒川・赤石周回の人でした。避難小屋は期限切れの食糧やビールがふんだんに置かれていて自由に食べてください、と書かれています。私は何ももらいませんでしたが、外のバケツに浸かっているビールは1年以上前のものながら飲まれているみたいですね。

 翌朝ちょうど山頂でご来光を拝んで、あとはひたすら椹島への道を下っていきます。富士見平・赤石小屋を経由して、椹島に到着したのが9時前。売店くらい使えないかと思って行ってみましたが、夕方のみの営業で人影もなく、あきらめてそのまま帰路につきました。帰りは16.7km、3時間半かかって沼平へ。この周辺は白樺荘や田代温泉を含めて臨時休業していて日帰り入浴できる場所がないので、接阻峡温泉の森林露天風呂で汗を流してから静岡駅へ戻りました。この3日間では林道の自転車利用者を除いては、奥聖岳山頂で1名、聖岳〜赤石岳間で9名ほど、赤石避難小屋で1名、赤石岳〜椹島で3名ほど会った感じです。それにしても三日間好天続きだったのは本当に幸いでした。