奥坊主・口坊主登山

年月2021年5月
期間一泊二日
登った山日出ヶ岳(1,695m)テンネンコウシ高(1,431m)
奥坊主 (1,108m)口坊主 (1,020m)
行程行き新横浜(新幹線)新大阪(地下鉄)なんば(列車)和歌山市(列車)和歌山(列車)大和二見<泊>(列車)五條(列車)吉野口(列車)大和上市(バス)大台ヶ原VC
登山・大台ヶ原VC(0:30)日出ヶ岳(0:25)シャクナゲ平(0:40)テンネンコウシ高(3:00)奥坊主(0:40)口坊主(0:55)P982<泊>
・P982(0:30)P922(2:20)往古川(1:15)中新田バス停
帰り中新田(バス)紀伊長島(列車)多気(列車)名古屋(新幹線)新横浜
タイム10時間23分(コースタイム不明)
同行者なし
宿泊 (テント泊)
天候
温泉 炭の湯
コメント 今回のプランは2年前に大杉谷から大台ヶ原へ歩いたときに「テンネンコウシ高」という変わった山名に惹かれたのが発端です。いろいろ調べて当初は「西谷高と合わせて周回かなぁ」と思っていたのですが、更に調べるうちに「奥坊主・口坊主」と呼ばれるピークがあることを知り、俄然そちらに興味がわいた次第。ただ地図を見ていると「口坊主の先は行けないのだろうか」と思うようになり、往谷川へ降りるとして無理のなさそうな尾根の目星もつけられたので、ダメ元で行ってみたいと考えるようになりました。口坊主から南尾根を下った記録は見つかりませんでしたが、真砂鬼丸谷からすぐ南のP969へ上がった記録を見つけ、ロープは持参することにしました。

 大台ヶ原はバスは1日1往復しかないので、前日和歌山に用があったので大和二見で前泊して大和上市9時のバスに乗りました。大台ヶ原着は10:51で出発は11:00、まず好天の日出ヶ岳で快哉を叫ぶと大杉谷への道を下って行きます。この時間でも大杉谷から上がってくる人は結構いますね。10人くらいはすれ違いました。事前に確認したところではシャクナゲ坂のところから取り付く感じでしたが、その手前の分岐から取り付けるようなのでそのルートで行きました。シャクナゲの森を経由して一投足でテンネンコウシ高に到着。
 問題はここからで東尾根を辿って堂倉橋へ降りるのですが、踏み跡もさほど明瞭ではなくそこそこの急な尾根なので結構苦労しました。下りに取るときは尾根もわかりにくいので要注意です。堂倉橋へ降りると橋の正面の尾根に取り付くのですが、枯れ沢と急斜面の二択で、枯れ沢は取り付いた先の様子が分からないので後者を選択しました。上部では鹿柵が目印になったり邪魔になったりしましたが、何とかクリアして尾根に乗り、南へ。尾根は細い箇所もありますが、比較的歩きやすいですし、リボンも少し付いているようです。分岐から南東へ降りて下っていきますがこれが分かりにくく、たまにあるリボンは結構助かりました。 最後の急登を登ると奥坊主、ここから南へ下りますが結構な下り、最後の部分で尾根通しに行けず、左も右も切れ落ちていて悩みました。少しもどると西側に降りれそうな岩場が。事前に記録で見たのはここのことだったかと。ほどなく口坊主に到達しました。

 この先はほぼ情報がありませんが、真砂鬼丸谷からの記録では口坊主南面は懸垂下降していたので、しばらく行くと果たして岩壁の上に出ました。岩壁の向こう側は見えず、東側は崖、西側も下部がよく見えないので、一旦ザックを固定しておき、空身でロープとスリングを持って降りてみることにしました。結果30mロープギリギリで岩の西斜面におりられ、この先も滑りやすい急坂を下って岩壁の向こう側に出られると分かりました。ここで降りる時に木に接触して財布を落としましたが何とか回収できてよかったです(ただし一部中身が散乱してETCカードをロスト)。上に戻ろうとして見上げると左の方に踏める段差のようなものが見えたので、ロープはそのままでこちらを登ることに。ここもクライムダウンは無理ですが、岩壁のすぐ横よりは降りやすそうです。なので、上でロープを回収し、ザックを背負ってここをロープで下りました。降りた地点から急斜面をもうワンピッチ。何とか岩壁の反対側に到達。
 この先は幸い辿れる尾根が続きますが何分出発が11時で、口坊主の通過に時間がかかったので、P982でビバークすることにしました。標高も低めで天気も安定しており、いつものシェルターにモンベル#5で安眠出来ました。

 ちょうどP982には紀北方面から来たグループのプレートがかかっており、まず往谷川へ下りられるだろうとは思ったのですが、目星をつけたP922北東尾根の状態がよく分からないのでドキドキでした。しかも尾根の分岐の分かりにくさと言ったら。。GPSを頼りにルートを調整して下っていきますが、正解の尾根でも極端に傾斜のきついところが多く、靴のせいもあってか落葉で滑りやすくて肝を冷やした箇所もいくつか。1回大きい岩場で行き詰まってロープを使おうと思いましたが、大きく登り返して南側に降りれるルートを発見するなどして何とか下りられました。最後の300mはシダの海を漕いで枯れ沢に出ました。降りた場所はほぼ想定通りで、幸い水量も膝下、靴を脱いで慎重に渡渉。林道に出てあとは船津駅まで歩くだけ。
 奥坊主あたりから三重側の電波を拾っていて、携帯もスマホも使えたのですが、どうやら船津駅は3時間ほど列車が来ない様子。徒歩1時間南の海山バスターミナルからの名古屋行きはギリギリ間に合わないということで、最寄りのバス停から紀伊長島まで出て、1時間あまりで日帰り入浴する計画にしました。結果、紀伊長島周辺はコロナによる地元限定と休業で入れる温泉はなさそうという結果に。やむなく名古屋で炭の湯によって帰りました。