不動岳東尾根縦走

年月2021年5月
期間一泊二日
登った山不動岳 (2,172m)六呂場山(1,747m)
矢筈山 (1,438m)
行程行き新横浜(新幹線)静岡<泊>(列車)金谷(列車)千頭(バス)寸又峡温泉入口
登山・寸又峡温泉入口(2:00)千頭ダム(0:15)天地第一吊橋(0:50)丸盆岳北東尾根(1:10)上西河内(4:00)1881m地点<泊>
・1881m地点(1:20)不動岳(0:30)鹿ノ平(1:45)六呂場山(1:30)矢筈山(1:40)戸中山林道ゲート(2:00)水窪ダム
帰り水窪ダム(タクシー)水窪駅(列車)豊橋(新幹線)新横浜
タイム17時間(コースタイム不明)
同行者なし
宿泊 (テント泊)
天候
温泉
コメント 昨年来深南部のディープな山歩きに魅せられており、今年のGWには不動岳東尾根を目指すことにしました。昨年合地山・諸沢山を縦走した時に崩落だらけの日向林道を通過して下山したのですが、もうひとつのルートとして、天地第一吊橋からダイレクトに尾根を越える方法が知られており、そもそも天地第一吊橋を渡ったことがないため、このルートを使う不動岳東尾根の優先順位が上がったという。。不動岳からは主脈縦走路で六呂場山の有名な格言「耳目は欺かない 判断が欺くのだ」の実物を見て、矢筈尾根で下山の計画。水窪ダムまで7km歩いてタクシーを呼ぶことにしました。

 本来はGWの5/1-2で行くつもりでしたが、仕事も詰まっていて前泊を捻出出来なくなったので5/2-3に変更しました。静岡からJRで金谷、大井川鉄道に乗り換えて千頭、さらにバスで寸又峡温泉。着いたのは8:30過ぎでここから歩いて寸又峡、さらに飛龍橋方面へ歩きます。GWということもあって夢の吊橋からの帰りと思しい人達とかなりすれ違いましたので、結局奥のゲートまではマスクをしたまま歩いていました。
 寸又川右岸林道は昨年秋ぶりですが、途中の真っ暗なトンネル3本はヘッドライトではなくスマホのライトでこなしました。このトンネルは真ん中に溝があるので真っ暗のまま進むのは危険です。ゲートから千頭ダムまで徒歩1時間半というところ。千頭ダム辺りから晴れているのに小雨という天気雨になり、この状態はほぼ終日続きました。それもあってこの日はほぼレインコートを来ていました。日向林道方面の登山口には自転車デポが1台、私は寸又川の左岸を進みました。途中に崩れている箇所もありますが川に下りることなく、途中のトンネルは足元も不安定なのでヘッドライトを出して使用。天地第一吊橋まで到達。
 天地第一吊橋は橋はまだもちそうですが、踏板が相当傷んでいて、慎重に踏んで行きます。両側にワイヤーが伸びていてそれを持っていればバランスを保てるのが有難いですね。吊橋をわたり切ると、左に移動することなくそのままダイレクトに尾根を登りました。傾斜はありますが、木の根と幹が豊富にあるので掴んで登るのにはあまり苦労はありません。1時間弱で丸盆岳北東尾根に乗り、ここから5分ほど尾根西へ、上西河内への下降点には黄色いテープがありました。この上西河内への下りが今回のキモで、事前に調べても川まで下りるのはかなりギリギリでロープがあった方が良いとのことでしたが、ギリギリでも行けると踏んでロープは持参しませんでした。相当な急傾斜の尾根を木の幹を頼りに下って行きますが、果たして下の方は尾根が切れてそれ以上は行けず。やむなくトラバースの連続で少しずつ標高をさげますが、滑るとそのまま川まで一気に落ちてしまうのでとにかく慎重に。2箇所ほど高度下げるのに苦労した箇所があり、やはりロープは持ってた方が良さそうでした。左に大回りしてなんとか川岸に達すると、上西河内の水量は思ったほどではなく、膝下なので靴を脱いで渡りましたが、やはり水は相当冷たかったですね。ただ、これで今回のルートの最大の難所は通過できたと安心し、不動岳東尾根を進みます。
 不動岳東尾根は当初はやはり木の根頼りの登りが多かったのですが、地理院地図上のルートが横切るすぐ下あたりに複数の小屋跡があり、ここから先は登りやすくなります。あとは尾根を慎重に辿って登りますが、倒木が多いのはやむを得ませんね。小雨は断続的に降っていたのですが、1600mを過ぎて笹が増えてくると同時に雪に変わってきました。このまま少しずつ地面が白くなっていき、テン泊を決めた1881m地点ではもう真っ白でした。ビバークスペースは少ないですが、笹の上に強引にテントを張りました。とにかく寒かったですが、越百山のビバークよりはマシだな、と思って寝ました。細切れながら、睡眠不足を感じないレベルでは寝られたようです。

 5時半に出発、雪は数cmで新雪なのでアイゼンは不要(持参してません)、ですが笹とのミックスでは滑りやすいので注意して進み、7時前には不動岳山頂に到達。素晴らしい景色で風も弱く、コーヒーを飲んで休憩。気持ちよい笹尾根を鹿ノ平へ降ります。ここで逆河内へ行くという2人組に会いました。昨日の天気もあってか鹿ノ平に人の姿はなく、私はそのまま六呂場山への下りへ入りました。
 このルートは踏み跡は極めて薄くて下手にたどると別の尾根に入りこんでしまうので往生します。GPSも駆使して笹薮を進んで行きます。この標高だと雪が残っているので下りは特に気が張りました。また途中に痩せ尾根区間があり、一つエッと思う登攀箇所がありました。補助のスリングが一つぶら下がっており、それを使って登りました。
 六呂場山の山頂は「耳目は欺かない 判断が欺くのだ」という格言が貼られており、それの実物を見たかったのでとても満足しました。矢筈尾根に入ると尾根がとても広くて、ルート取りに逆に苦労。矢筈尾根で6人とすれ違いました。最後に目印の黒パイプを辿って矢筈尾根の取付に下山。ここからゲートまで10分、車止めまでさらに30分、そして水窪ダムまで1時間半でした。車止め近辺には19台も停まっていたので、誰か下山者が拾ってくれないかなという淡い期待はありましたが、13:30では誰も下山してきておらず、水窪ダムに着いてタクシーを呼んでからようやく1台来たという感じでした。その車は矢筈尾根の下部で休憩していたご夫婦でしたが、諦めて下山したついでに「歩いてたら拾おう」とは思ってくれていたようで感謝。タクシーは水窪駅まで3000円。飯田線で豊橋まで、ここの銭湯で汗を流して帰りました。