病院カルテ

「美味しんぼ」には結構多く病院が登場する。主な登場人物は大抵一回は入院の洗礼を受けているように思う。中には大原社主のように頻繁に入院する人もいるが・・・。病院の名前のバリエーションもマニアックな人ならば気になるところではないだろうか。 　そんなわけで、登場人物の病院歴を以下にまとめてみた。ちなみに最初の入院者は、自分の窯場で転んで骨折した唐山陶人である。また、富井副部長のように会社の医務室にお世話になっている人もいるが、医務室どまりのものは一応除外した。これだけの入院者を出しながら、全巻を通して作中で死んだ人がいないのがこのマンガのいいところだろうと思う。 　なお、病院名については、だいたい50巻あたりを境に、病院名を明記するパターンが極めて少なくなっている。「西浜」「岩倉」「犬町」産婦人科と、富井副部長が誤診を発見した東塔大学付属病院を除いては、のきなみ病院名が不明なのは残念なことだ。

氏名	時期	病院名	病名・症状	原因
栗田ゆう子	30巻4話	銀座救急病院	右足首捻挫	山岡にべったりの二木まり子を苦々しく思いながら上の空で歩いていて、空き缶で足を滑らせた。骨に異常はなく、入院はしていない。
	32巻1話	東南病院	腰部打撲	団社長の山口旅行の誘いのことを考え、上の空で歩いていたため、赤信号無視で車にはねられた。
	70巻1話	？総合病院	過労	身重の体ながら、海原雄山の個展の手配に奔走し、結果的に過労で倒れた。母子ともに問題なし。
	75巻3話	岩倉産婦人科病院	出産	最初は西浜産婦人科病院にいたが、双子の上逆子が治らなかったため、帝王切開手術を行うこととし、岩倉病院に転院。男女の双子を無事出産した。
	78巻6話	？総合病院	過労	育児と仕事の両立で過労となり、入院。
山岡士郎	13巻6話	虹多総合病院	頭部打撲	ナイター観戦をしていて、東京黒豹軍の長原のファウル直撃を受けて昏倒。同じ話の中で再び長原のファウル直撃を浴びた。
	43巻3話	東都大学病院	サルモネラ菌中毒	前日に生卵を沢山食べた山岡がそのうちどれかの卵にあたって担ぎ込まれた。一時期は生命も危ぶまれる状態になったが、結局助かる。山岡・栗田の周辺の複雑な関係を清算できたという意味ではよかったかも。
三谷典子	26巻2話	岩倉産婦人科病院	妊娠中毒症	妊娠中につわりがひどく、食欲が戻らないため、最後は病院に担ぎ込まれた。
	29巻5話	岩倉産婦人科病院	出産	長男の優一を出産。
富井富雄	65巻2話	？総合病院	食中毒	副部長研修で、総務部が外部業者に作らせた弁当にあたって入院。他にも大勢が食中毒で倒れた。
大原大蔵	12巻1話	東西病院	栄養失調	ただでさえ夏バテのところに、東西新聞社の野呂金吉による乗っ取りが追い討ちを掛け、胃腸を弱らせて入院。
	28巻2話	？大学付属病院	ポリープ	大腸にポリープができたが、幸い良性。内視鏡による切除手術で全快。
	32巻3話	堀内総合病院	腰部打撲	会社で階段を踏み外して腰を打ち、救急車で運ばれた。そのまましばらく入院。
	45巻2話	？大学付属病院	脳虚血症	銀照軒偏々斎の占いを真に受けて、山岡と栗田の結婚を止めるべきだと主張し、山岡に「ど腐れ」と言われたのが原因で、後で激昂してぶっ倒れた。まあ、自業自得だろう。ちなみに病院のコマは28巻2話の流用。
京極万太郎	8巻4話	東都総合病院	足首捻挫	京都に帰ろうと東京駅の階段を上がっていたときに、酔いのため足を踏み外して転げ落ちた。
	56巻1話	？総合病院	脳虚血症	娘二人がいい年をして、つまらないことで喧嘩を繰り返すの見て、激昂して倒れた。４〜５日の休息で回復。
花見小路辰之丈	61巻7話	銀一病院	打撲(?)	車にはねられて入院の憂き目に遭う。怪我の程度は不明ながら、骨折するほどの重傷ではなかったようだ。
	66巻3話	？総合病院	全身打撲	「ホームレス狩り」に遭ってしまい、重傷を負う。
海原雄山	76巻4話	？山総合病院	全身打撲	車を降りるときに後ろから追突され、全身を強く打って意識不明となった。意識回復に山岡の声が効いたというあたりが・・・。
唐山陶人	7巻1話	セントジェームス病院	右足首単純骨折	陶人をからかった山岡を金槌を振り回して追いかけ、転倒。自爆。
	13巻3話	東都大学病院	食中毒	妻の領子が作った鯖寿司に当たった。合成酢がいけなかったらしい。
中松歌子	74巻3話	？産婦人科医院	出産	長男剣吉郎を出産。
鈴子	10巻8話	中央病院	栄養失調	結婚を約束していた古崎が裏切ったことにより自殺を図って担ぎ込まれたようだが、それが原因で食事をとらなくなり、点滴漬けに。
中里東一	11巻6話	坂下総合病院	頭部など負傷	交通事故。一ヶ月以上入院した。
テルエ・ブラック	12巻5話	八木総合病院	急性肝炎	デビュー以来の頑張りが祟って肝臓にきた。
	74巻2話	？産婦人科医院	出産	長女を出産。
大柱永一	13巻4話	大石病院	栄養失調	夏バテで食欲が出ず、数日食事をとらない状態なのに、無理して易者をやっていたら倒れた。
富井修	81巻4話	?総合病院	自殺未遂	会社が解散の窮地に陥り、思い余って自殺を図ったが、未遂に終わった。自殺未遂による入院第二号。多分首吊りだと思われるが、後遺症は全く無しは幸いであった。
清谷吟香	17巻5話	琴平総合病院	脳出血	京極にトコブシを食べさせるために、葉山の初夏の冷たい海に入ろうとして倒れた。手術により一命を取りとめ、全快。
近城まり子	58巻6話	犬町産婦人科病院	出産	長女の幸子を出産。退院前に命名でモメにモメた。
中川ちよ	41巻2話	東東病院	胆石	単純な胆石だが、もともと心臓が弱いため手術後も食欲が戻らず、山岡が苦労した。
	70巻1話	？総合病院	右足脛骨骨折	階段から転げ落ちて骨折。
大石みさ子	53巻6話	某病院	右足骨折	山岡家に向かう際に、慌てていて信号をよく見ず道路を横断し、交通事故にあった。幸い命には別状なく、結果的に大石警部は猫好きになった。
	73巻5話	？産科婦人科クリニック	出産	長女を出産。結構難産だったらしい。
初子の祖母	23巻6話	会田病院	全身打撲	イカの生干しの行商中に、山岡らの目の前で車にはねられた。命に別状はないが、全治一ヶ月。
岡星冬美	66巻3話	？産婦人科	出産	長女を出産。ただし、名前は出てこない。
宇田吉夫	32巻5話	出水第一病院	体調不良	原因不明の高熱と腹痛により入院。退院後も以前の傲慢さがウソのように温和な人格になってしまった。
田島圭子	48巻3話	月島病院	切迫流産	舅の田島恒助に引っ張られたときに、腹痛を訴え、入院。幸い母体ともに影響なし。
関野好男	58巻1話	？総合病院	全身打撲	同級生のリンチにあった。しかし、これは友人を助けるためのものであり、名誉の負傷と言える(その割には重傷かも)。
団ジュディ	74巻3話	西浜産婦人科病院	出産	長男一郎太を出産。
浜谷鈴子	65巻5話	？総合病院	虚血症	寂しさによるストレスから暴飲暴食に走った結果、虚血症を起こして入院。幸い一過性のもので助かった。
嶺山佐津子	68巻7話	西浜産婦人科病院	出産	帝都新聞社の嶺山社長の息子嶺山明記の子を出産したが、未婚の母だったため精神的に参っており、産後の回復が遅かった。最終的に嶺山社長との和解がなり、以後快方に向かった。
丸子数夫	69巻5話	？総合病院	不明	外科に入院していたが、病名は不明。とりあえず全快して退院したようだ。
永井つや子	72巻3話	西浜産婦人科病院	出産	電車の中で産気づいて山岡らに助けられたのがきっかけで西浜医師にかかることに。女の子を無事出産。
大石	82巻7話	？総合病院	左足骨折	連続強盗団の隠れ家への突入を指揮し、全員逮捕して引き上げるときに、階段から落ちて骨折。相変わらず大石らしいドジ。
山岡陽士	83巻3話	月島中央病院	右頬火傷	樫森の歩きタバコが頬を直撃した。幸い火傷は軽くて済んだ。
種田	86巻1話	都南病院	不明	自分が事務長を勤める会社の行く末を案じて自殺を図る。しかし、首吊りや手首を切ったわけではないらしい。後遺症もないようでなにより。
茂山こま	94巻2話	月島南病院	全身衰弱	自分を置いて渡米した娘に見放されたと感じで元気をなくし、体調を崩した結果。その後娘とは和解し、全快した様子。