明海上人

入定年文久三年(1863)
寺 名亀栄山明寿院
所在地山形県米沢市小中沢 松本茂氏
拝 観可(要事前連絡) 拝観料無料

本名・出自鈴木嘉左衛門の長男春次(貧農の出身)
出家の動機十五歳で失明し、治療したが治らず、湯殿山で眼病治癒の五年間の戒行、祈祷師の評判を得、大日寺へ入門。
略   歴一世行人として、厳しい木喰行を続ける。人々の信仰、米沢藩の信望を得、藩の斡旋で、京都仁和寺より上人号を得る。更なる修行の後、権僧正位も受ける。加持祈祷を続けるうち、体力が衰えたため、永遠に人々の願いを叶えるため、即身仏を志す。文久三年三月五日入定

 湯殿山4ヶ寺のうち、裏口別当である本道寺、大日寺から出た唯一の即身仏。
 明海上人の子孫である松本茂氏宅に祀られています。松本氏は大変信仰篤く、お参りしたい人には拝観させてくれます。
 松本家には、「明海上人行状録」が残されており、即身仏となった僧侶の記録としては、他に類例を見ないほどの詳しい情報を後世に伝えています。
 入定後100年以上の間、棺に納めてしまわれており、松本家では代わりの木像(現在も明海上人の隣りに祀られている)を拝んでいたそうです。昭57年に松本昭教授他、各方面よりアドバイスを受け、新潟大学で即身仏の補修を行った後、今の明寿院に納めたとのこと。
 事前に連絡を受けた場合の随時拝観の他、毎月五日には堂を開いて誰でもお参りできるようにしているそうです。また、毎年4月5日には法要を実施。
 余談ながら、明海上人の実家である鈴木家と今の松本家の名字が違う理由は、3代前に佐藤家から養子を迎えた際に改名したことによるものだそうです。

亀栄山明寿院への行き方
最寄りの幹線駅米沢駅(山形新幹線)
最寄りの駅同上

 米沢駅前から、小野川温泉行きのバスで約20分、小中沢下車。バスを利用する場合、1時間に2本程度しかないので、往復どちらかはタクシー利用となるでしょう。
 先に述べたように、松本氏個人蔵の即身仏ですから、事前連絡は必要です。


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